2015年8月29日土曜日

なんでもいい発表、失敗の場

何かを5分間で発表して、フィードバックをもらうという体験をした。
拙さマックスだったが、発表し、コメントをいただいて交流が生まれるのはうれしかった。

「なんでもいいから発表する」というのは、あるようでなかったことだと思う。

たとえばエンジニア勉強会のLT(Lightening Talk)と呼ばれる発表は、特に規模が大きくなればなるほど、発表希望者も増えるし、となると内容提案による選別のプロセスが入らざるを得ない。
これは至極当然で、多くの人の時間を共有するほど、主催としては、その時間の質が高いほうが望ましいからだ。
発表は、聞き手にとっては離脱の自由がない、と感じやすいから(本来的には自由に離席してもよいけど)この配慮は意味がある。

しかし、これは副次的に発表内容の質が向上していく必要がある、という力学がはたらく。望ましい姿でもあるが、一方全く発表したことのない人にとってはよりハードルが高くなり、参加をためらう(人も出てくる)。
というか、まさしくぼくはそう感じている。

そんなことないよ、どんどんチャレンジしよう、と言っていただける方も多いのである。とてもありがたいことだ。
しかし、もしフォーマットとして最初から「なんでもいい」と明示されていれば、主催者も発表者も聞き手も、「なんでもいい」と合意形成がなされた場になるので、ハードルが下がる。

これは、とても価値がある取り組みに思える。
もちろん発表自体は、ぼくがやったように拙いものも割合としては増えてしまうけれど、大げさに言うと、経験を積んで発表者のこれからの人生が少しでも後押しされる、という未来投資の要素は、代替のできない価値を感じる。

ぼくが関わっているスタートアップウィークエンド(SW)のコンセプトにもこれは大いに通じる。
SWは失敗してナンボの場である。むしろ本質的には失敗しかない、と言えるかもしれない。起業のプロセスは、仮説検証という名の失敗の連続だ。逆に言うと失敗していないのは挑戦していないに同じである。どんなに計算してスマートにやろうとしても、予測不能な現実では、挑戦したら必ず失敗する。失敗を恐れたら始まらない。

後ろ指さされること恐れるのは、1つしかない正解を言わされる教室と、硬直して人間性を失った組織や企業の中だけで充分だ。だが悲しいかな、そういう場がとても多いし、ぼくも人生の多くの時間をそういう場で過ごしてきた。

挑戦し失敗した人を讃えて、またその経験を伝えてもらう場を設け、ゆくゆくはそれが当たり前な環境が形成されるよう、SWの活動を続けたい。
また何よりも、自分が挑戦することが必要だと改めて思う。

感銘を受けた「リーダーシップの旅」という書がある。
ここの一節がすばらしい。

Lead the self.
Lead the people.
Lead the society.

社会を変えるようなリーダーになろうとするなら、まずは自分自身にリーダーシップを発揮すること。
挑戦する姿を見て、赤の他人だった人が、同志や支援者となってくれる。
その先に初めて、社会が変わっていく道がある。

この本を教えてくれたのは、任天堂前社長の岩田さんだ。
岩田さんの人生そのものが、まさしくこのリーダーシップの旅だったのだと、逝去されて少しだけ時間が経った今、そう思う。

ぼくは社会を変えていくリーダーになれるか、なりたいか、そういうことは正直分からないのだけど、まず自分をリードすることは必要というか、そうしたい。

まずは今は、Webサービスをひとつ、つくること。
そして、スタートアップウィークエンドのリードオーガナイザーとして、次の横浜のSWを「失敗を讃える場」となるよう、バトンをつなぐこと。

楽しんでやりたい。義務でも苦行でもなく、挑戦なのだから。


リーダーシップの旅  見えないものを見る
(光文社新書)   野田 智義 金井 壽宏


2015年8月27日木曜日

KPI of Startup Weekend Yokohamaイベント、予告。

昨日 8/26 はStartup Weekendのイベントを横浜で開催した。

ゼロからイチを生み、1から100に成長させるとは? ~Startup Weekend Yokohama 夏のイベント~

場所は横浜グローバルステーション。
イベントのスピーカーの山口豪志さんが運営する、横浜のベンチャー企業の集まる場である。

今回はStartup Weekendのファシリテーターの石原吉浩さんと山口さんが起業のフェーズごとに熱く語る、という企画だった。
結果的には大盛況といってよかったと思う。
40人以上参加されて、飲み会には20人が参加された。
ぼくの事前予測ではそれぞれ30、10人くらいだったので居酒屋は予約数を超えて急遽店員さんに電話相談するといううれしい誤算だった(笑)。

Untitled

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石原さんとあとでメッセージしたときにイベントの成功のKPIはなんだろうという話になり、石原さんが言われた「飲み会の参加状況と盛り上がり」がKPIなんじゃないかという仮説に同意した。

非営利で、飲み会も自己負担のイベントの飲み会をいやいや来る人というのは考えづらい。登壇者や参加者と交流したいという意思の行動への発露が飲み会参加であるとするなら(もちろん諸事情で飲み会参加したくてもできなかった方もいらっしゃると思う)よいKPIなんではないか。

たとえば紙のアンケートは、記名式か無記名かにもよるが、課題の洗い出しについての有効性は一定程度あると思う反面、成功のKPIとしてはあまり使いづらいのではと、思っていたので、飲み会という行動型KPIはいいかなと思う。
あとはイベントの参加率も。
もちろんやむにやまれずドタキャンする人もいるし、それに対する批判なんてさらさら思ってないが、来たいから来るんです!という行動発露KPIとして、ただ単に評価軸になるかなと思っている。

とはいえ、今回の場を次に繋げていくことが何より大事なので、本番はここから!

スピーカーの山口さん、石原さん、そして運営全般に活躍いただいた朝倉さん、本当にありがとうございました。

ぼく自身、学ぶことがとても多かった。
山口さんの「企業は人なり」のメッセージが本質だと思った。

起業したり、成長のために組織を成長させるというのは、人間だけができることだ。
昨今の人工知能(AI)の進歩の中で、人間だけができることはなんだろうとよく考えているのだが、少なくともまだ起業したAIや、成長戦略に携わったAIは、いないだろう(笑)。

AIに仕事を奪われることを恐れて19世紀のラダイト運動に似ている機械の排斥を訴えるよりは、IA(Intelligence Amplification:知的増強)の可能性を見て、機械の活用と、それによって人間がより楽しくしごと(自分がなすべきをして、他者に価値を生み出す)できないかと取り組むほうが楽しそうだ。

って、話ずれ過ぎた(笑)。

予告。
Startup Weekend Yokohama 4 (仮) 本番イベントは2015年12月4(金)〜6(日)を仮で予定!
昨日、大垣のStartup Weekendオーガナイザーの浅見仁志さんと意気投合して、ほぼこの日程で決めた。


また告知していきますので、興味あります方はぜひスケジュール開けておいてくださいな!
以下がDoorkeeper (イベント登録サイト)なのでこちらからコミュニティにご参加ください。
https://swyokohama.doorkeeper.jp/


2015年8月26日水曜日

発信したい気持ち、Podcast、エンジニアではないぼく。YAPC::Asia Tokyo 2015。


ぼくは残念ながらエンジニアではない。

大学の文系学部を卒業し最初に入った会社はゲーム会社だったけれども仕事は事務。
ゲームを作りたいと思っていたんだけれどもどうやったら作れるのかよくわからなかった。

今思うとリサーチ力不足も甚だしいのだがプログラミングなるものをあの時点で知っていたとして僕はゲームを作れたのだろうか。
それはどうにもよくわからない。

ただ今、言える事はぼくはWebサービスを作ってみたいのに作る技術がないということである。
ジーズアカデミーと言うゼロからエンジニアを目指そうと言う学校に通っていて、HTML/CSS/JavaScript/PHP/MySQLの最低限は使えるようになったんだけど。
卒業制作としてWebサービスを作りロンチするという当座の目的地を見上げると、悩みが尽きない。



前置きが長くなった。

そんなわけでのアカデミーの課題と言うやるべきことをやっていない状態であったが、プログラミング言語Perlのお祭り YAPC::Asia Tokyo 2015 にはじめて参加してきた。
他の参加された皆さんのブログを見ていると、どのトークが印象に残った、とか技術的に感慨を受けた、とかプロのエンジニアならではというコメントを多く見る。正直、カッコいいなと思う。
書かれている皆さんはそんなこと思っていないだろうが、傍から見るとカッコいいのです。

...残念ながらぼくはエンジニアではない。
本質的なので2回言いました。
トークの中身の凄さを実践レベルで感じられないもどかしさでいっぱいだ。

今回、主にしたことといえば、エンジニアに向けたPodcast “Rebuild.fm” の宮川達彦さんや伊藤直也さん、そして “wada.fm” でお馴染みの和田裕介さん(ゆーすけべーさん)に声をかけて写真を一緒に撮っていただいたことである。

なんというミーハー。
しかも、声をかけて一緒に写真を撮っていただくなどと言うのはミーハーすぎて恥ずかしいなと思っていながら、それでもやっぱり写真に一緒に写りたかったと言うのは、もはや一回りしてかわいさすら感じる。
って自分で言ってる場合か。

こんなただのファンないきなりのお願いを快諾してくださった宮川さん、伊藤さん、ゆーすけべーさんには本当に感謝しています。ありがとうございます。
こうしてますますファンになるという無限ループ。






さてなぜPodcastはこんなにファンな心理状況を生むのかと言うと、まさしくこれは今回のYAPCのトークでゆーすけべーさんが話されていたところである。
1時間の放送であれば聞き手も、その1時間を物理的な時間として明白に共有する。これが感情移入量を高めると考えられるのである。同じ内容を書き起こしのスクリプトだけ見ても音声と同程度の感情の変化が起こるとは考えづらい。
録音より生であればさらに感情移入が強まるだろう。

ウェブ空間も現実空間も圧倒的に情報過多になってしまっている現代で、Podcastというメディアではあえて情報のチャンネルを絞り、時間を共有することによって、感情的な価値を出しているのだと思う。
これはテレビが普及しインターネットが普及した後でも、ラジオというマスメディアが無くなっていないことにも通じるかと。

ただPodcastがラジオとも違うのは、個人の発信が可能であり、また広告ビジネスとして明白な営利活動であるケースが少数だと言うことであろう。
「聴取率とスポンサーの束縛」がなく、またお上の制約もないことで、発信者が1番伝えたいと思う、工夫に満ちた魅力的なコンテンツが生まれているのではないか。

とこんなことを考えていたらやっぱり自分も発信したくなった。
このブログだってあんまり見ている人はいないけど発信は発信である。
ただせっかくなら音声であるとかあるいは映像であるといったような、「時間共有型」メディアもやってみたいなと思う。

というわけでゆーすけべーさんのトーク、ほんと良かったです!
自分も発信したい気持ちを具体化する方法と意識を持てた。
Podcast、発信に興味ある方は以下スライドをぜひ。

"Podcastを支える技術、エンジニアのためのWebメディア、そしてCPAN"
(ゆーすけべーさんの発表slide)



ぼくの場合はまず先に卒業制作のWebサービスをつくれという話ではある。がんばろ。コード書くのは相変わらず慣れないけど。 

ぼくは残念ながらエンジニアではない。
しかしサービスをつくることはできるとどこかで思っている。
思いこむことも、時に必要だ。


2015年8月23日日曜日